塗料の価格と耐久性
塗る断熱材!断熱セラミック『ガイナ』
ロケット打ち上げ時の高熱から機体を守る部分が先端部(フェアリング)です。
JAXAは、H-Ⅱロケットの開発に際して、 打ち上げ時の熱から機体および人工衛星を守るために、ロケットの先端部(フェアリング)に塗布する断熱技術を開発。
地球にやさしいエネルギー・システムを宇宙から。
宇宙の断熱材で効率的な冷暖房
ロケット打ち上げの際、人工衛星を格納した先端部分をカバーするフェアリングは、強い風圧と高熱にさらされます。しかし、中の衛星にその熱が伝わっては困ります。そこで断熱材が使われるのですが、打ち上げの振動で剥がれることがあってはなりません。また、重力に逆らって打ち上げるため、機体はできるだけ軽くしなければならないのです。
フェアリングに使われる断熱材はいくつもの厳しい条件をクリアする必要があります。試行錯誤の結果、H-Ⅱロケットのために新たな断熱材が開発されました。
JAXAのこの断熱技術を提供された断熱セラミックガイナは、接着性に優れ、また、室温で硬化するので固めるための設備も不要となります。変形にも、曲げにも、高温低温どちらの熱にも、衝撃にも強いため、ひび割れや剥離が生じにくいのです。その上、軽くて、薄く塗るだけで断熱性があり、遮音性、制振性まであるという優れものなのです。
ガイナのこの技術は、「国際新技術フェア2002」において「第2回優秀新技術賞/優秀新技術特別賞」を受賞し、その後建築用の多機能性断熱塗材として実用化されました。今後、建築用だけでなく、電子機器の局所的な断熱、自動車のブレーキや電車のパンタグラフといった振動体の断熱、寒冷地の道路や水道管のコーティング、冷熱設備のシール材など、さまざまなものへガイナの応用が考えられています。
快適な生活を守りつつ、環境への負担を減らすひとつの方法として、断熱効果を考えてみるのもよいではないでしょうか。
ガイナと一般塗料の断熱効果の違い試験
ガイナ(左側)を塗布したパネルと一般塗料(右側)を塗布したパネルの断熱効果試験です。専用の電気プレートにて加熱し、双方のパネルに乗せた氷が解ける様子をご確認ください。(左側)のパネルはガイナの断熱効果により熱を通しにくく、氷が解けにくい状態です。
タフコート
従来の反射や断熱の考えとは全く違う塗料です。
太陽光線が塗料の表面に当たると、その中の赤外線の一部が熱エネルギーに変わり、塗膜内で分散、移動をします。塗膜には熱交換用の特殊な材料が入っており、熱が接触するとたちまち、その特殊材料のエネルギー変換が起こります。表面層で起こる為に大半の熱は電気エネルギーとして消費されます。
平成28年6月に電気エネルギーに変換していることが判明しました。
熱交換塗料の利点!
- 濃色塗装が可能
- 塗料表面が汚れや摩耗、傷がついたりしても放熱効果が低下しない
- もともと光沢がでないので、安価で広範な樹脂が利用可能(屋根や防水層のトップコートに)